授業中の学生さんの発言を受けて

今日は、B大学で授業(教職課程の科目)でした。


ところで、教育課程の授業を担当していると、履修している学生さんのうち、親御さんが教員というケースに少なからず遭遇します。

授業中に、親御さんが教員をされているある学生さんが、学校の先生に、


「あなたの親御さんは先生なんだから、〇〇できるはず(なのに、何故できないの?)」


と、レッテルを貼られたのが、辛く・苦い経験だったと話して下さいました。


この発言を受けて、このこと自体が看過できないことで、きちんと問わなければならないことだと思いました。もう少し具体的にいうと、


教師はなぜ、他者に対し、レッテルを貼ってしまうのか


ということです。

これは、自戒を込めて言いたいと思います。なぜなら、職業柄、無意識に他者に対してレッテルを貼り、相手を傷つけていないとは言い切れないからです。これは、個人の問題というよりは、教えるという仕事の持つ恐ろしさだと思っています。

今日授業で発言して下さった学生さんのような経験をされた方は、本当に辛く、悲しい思いをされたことと思います。そのお気持ちを尊重しつつ、大学という場は、自ら問いを立てて、正面からそれに向き合い、自分なりの答えを出す、つまり、学問をする場であることを再認識して、この問題についても問う必要性を強く感じました。

B大学の授業に限らず、「なぜ教師は、他者にレッテルを貼ってしまうのか」ということを、学生さんと一緒に問うていきたいと、決意を新たにしました。これが、今日発言して下さった方に対し、今できる精一杯の答えです。