大学非常勤講師が「研究」を仕事にする方法~その①~

前回のブログで、大学非常勤講師のワークパターンについて、自分のことを事例に書かせていただきました。

 

maemuki-koushi.hatenablog.com

 
私の場合、非常勤講師の仕事が約60%、それ以外が40%です。非常勤がメインにはなりますが、それ以外の割合も決して少なくありません。

 

「研究は仕事にならないものか」と模索する

大学非常勤講師の方は、学会等に所属し、何らかの形で研究をしている方(広い意味での研究者)が多いと思います。私もそのうちの1人です。大学で授業を担当することは、もちろん有意義で楽しいと感じていますが、私にとって、研究をすることは、何より面白く、大好きなことです。

ところで、研究をするには、時間もパワーも、そしてある程度のお金(研究費)も必要です。研究は、博士課程在学時から、あるいはその前から研究を続けていることなので、学生の勉強の延長と考えがちです。でも、一日のほとんどを研究活動に費やすこともあるわけですから、非常勤講師の仕事をしつつ、研究をどうにか仕事にできないかと考えて、実行してきました。

 

研究を仕事にする3つの方法


私の仕事のうち、研究に該当するのは、前回のブログで示したグラフの、

 

①研究所A(資料整理)

②研究所B(研究員)

③その他(の一部)

 

です。これらの仕事をどのように見つけたか。また、それぞれどんな仕事内容なのか。①~③に分けてご紹介したいと思います。今回は、①、ずばり、「自分の研究に関連する研究所で働く」についてです。


自分の研究に関連する研究所で働く!―研究所A(資料整理)の仕事―


2016年4月から臨時職員として勤務しています。時給で雇われているので、いわゆるアルバイト待遇です。授業期間中は週に1日、長期休暇中は週に2日程度のペースで出勤しています。


【きっかけ】
自分の研究の関係で研究所Aに調査に行っているうちに、大学非常勤講師に転職する予定があることを伝えたら、「じゃあ、うちの資料整理を手伝ってくれない?」と声をかけてもらったからです。ちょうど、研究対象としている人物の史料が、ご遺族のご厚意で研究所Aでお預かりできることになり、その移管業務にも携わらせていただけました。

【仕事内容】
自分が研究対象としている人物の史料の整理が主です。「研究の命」とも言える史料の整理に仕事として携われるので、仕事の合間を縫って調査に行くことを考えると、一石二鳥です。何より、自分が長年かけて発掘した史料を、研究所Aに移管することができ、それを公開する作業に関われることが、私にとってはすごく幸せなことです。

【金銭面以外のメリット】

全部で4つあります。


❶研究関係の情報がたくさん入ってきたり、研究者の方などと出会える・紹介していただけることです。人脈を広げる、格好の場です。

❷自分の専門の方はもちろん、専門以外の分野の方とも繋がりやすいことです。同研究所は地域研究に関するところなので、研究所に出入りする方の専門も多岐にわたり、とてもいい刺激になっています。

❸同僚や専任教員の方と、研究関連でお互いに分からないことを教え合ったり、ご助言をいただく機会があることです。特に大学院を修了してからは、なかなか分からないことを聞ける機会がなくなるので、本当に貴重な場です。

時間の融通が利く点です。講義を持っていると、授業期間中は時間を拘束され、他大学の非常勤が入った後だと、他の仕事が受けられないことがあります。ですが、ここは、ある程度自分の裁量で出勤日や出勤時間を調整できるのが魅力です。

 

他には、同僚同士がすごく仲が良く、居心地がいいです。みんなでお昼を食べたり、仕事の後にコーヒーを飲んだりして、和気あいあいとやっています♪

【デメリット】
アルバイト待遇なうえに、一週間に働ける時間の上限があるので、あまり稼げない点です。お給料自体はいいわけではないですが、お金では得られない価値・メリットがたくさんあるので、楽しく仕事をしています。

 

今回は、自分の研究と関連する研究所で仕事をするという方法を紹介しました。もし、そのような研究所がご自身の専門分野であるのであれば、仕事がないか、問い合わせてみるのもいいかもしれません。仕事があれば、「ぜひやりたい」ということを伝えておくと、空きが出たときに声がかかることもありますよ。