100分授業になって…

大学の1コマは90分のところが多いですが、ここ数年、100分に変わったところも増えてきたように感じています。私は現在(今年度・春学期)、4つの大学で授業を担当させていただいていますが、そのうちの1校が今年度から100分授業になりました(100分×14回)。

 

今年から100分授業になった大学(以前のブログでご紹介したA大学)は、今年で授業を担当して4年目。昨年度までは90分×15回だった授業を、100分×14回で行うので、だいぶシラバスを変える必要がありました。授業の総合的な長さは同じでも、回数が減るので、実際的に扱える内容は精選せざるを得ません。それに加え、1コマが100分になると、授業を履修している学生さんも、「飽き」を感じやすくなってしまいます。

 

90分授業の時は、最初の15分程度で前回のフィードバック、60分程度を講義&ペアワークやグループワーク、残り15分程度でその授業のテーマに沿った小レポートを書く…という流れでやっていました。グループワークは、事前に課題をやってきていただいて行う、少し大きなテーマのものを設定していたので、講義が比較的多かったです。でも、100分でそれをやってしまうと、お互いにモチベーションが下がってしまうのではないかと思いました。

 

そこで、大きなヒントになったのが、ナカニシヤ出版さんの『ワークで学ぶ 教育学』のシリーズでした(私も縁あって、同シリーズに関わらせていただきました)。

 

ワークで学ぶ教育学

ワークで学ぶ教育学

 

 

 

ワークで学ぶ道徳教育

ワークで学ぶ道徳教育

 

 

 

ワークで学ぶ教職概論

ワークで学ぶ教職概論

 

 

 

 『ワークで学ぶ…』シリーズは、各章に2~3程度の「ワーク」が掲載されていて、それに取り組みながら教育学を学べる構成になっています。よく見ると、ペアやグループでやるワークだけでなく、一人でやるものも含まれています。

 

これを見たときに、なかなかワークを一人でやることはないし、明確な答えが載っているわけでもないから、自習だとワークに取り組んでもらえないのでは?と思いました。また、同シリーズは90分の授業を想定しており、90分授業だと、一人でやるワークは、授業内ではなかなか扱う時間がとれないのではないかと思いました。

 

せっかく100分授業になったので、試しに、毎回の授業で、個人でやるワークを1つ程度入れてみることにしました。すると、思いの他、学生さんが集中して取り組んでいたのです!個人ワークをした上で、ペアワークやグループワークをしてもらうなどすると、いきなりほかの方と話し合いをするよりも、取り組みやすいようです。また、ある学生さんからは…

 

「自分のことが良く分かっていないことが、良く分かりました。充実した時間でした」

 

というコメントをいただきました。

 

アクティブラーニングというと、どうしても他者との対話に注目しがちですが、深い学びをするには、自分との対話も不可欠だと思います。それを、自分一人でどこかで時間を作って行うのはなかなかできないもの。せっかく10分延長となったので、その貴重な10分を、「自分との対話」の時間に当ててみようと思いました。

 

今学期から始めた取り組みなので、効果のほどはまだ分かりませんが、学生さんたちの反応を見ながら、バージョンアップしていきたいと思っています。