突然の涙に、思わず応じる

犬も歩けば…ではないですが、私はよく学生さんに話しかけられ、相談を持ち掛けられることが多いです。今日は授業のあとに3件ほどありましたが、そのうちの一人、Aさんという大学1年生の学生さんが、

 

「先生、話したいです」

と言って私の元にやってきました。

 

どうしましたか?と言った瞬間、もう号泣です。

 

生徒に号泣されることになれている私にとっては、全く驚くことではなかったのですが、大学生がわんわん泣いているところに遭遇することは滅多にないので、これはちゃんと対応すべき案件だと冷静に判断しました(実は家庭の事情で早く帰らなければならなかったので、少しドキドキしていました)。

 

Aさんは、泣きながらも一生懸命話してくれたのですが、一番言いたかったのはアルバイトを辞めたいということでした。真面目に(専門の語学を)勉強したいけれど、アルバイトと勉強の両立がうまくいかなくなってパニックになってしまったようです。しかも、そのアルバイトは今日の夕方から。すぐにでも辞めたい、どうしたらいいんだろう?ということでした。

 

たまたま私と一緒に居合わせてくれたのが、社会人入学のBさん。2人で彼女の話を聞き、

 

「いやだったら辞めていいんだよ」

 

と一言アドバイスしました。そして、社会人入学の学生さんは、ご自身の経験から、

 

「留学したからって、必ず語学ができるようになるわけじゃないし、日本にいてもお金をかけなくても、勉強してできるようになるから」

と、とても現実的なアドバイスをしてくれました。

 

本来やるべき学業との両立がうまくいかず、焦ってしまったようで、また誰に相談したらよいかもわからず、アルバイトに行く直前の時間まで何と言ったらいいか分からなくて、パニックになってしまったところに居合わせたのが私だったということです。

 

高校生までとは違い、大学というのは一人一人時間割が違うように、それぞれ独立して行動しています。本人から見てうまくいっている・恵まれているような同級生や、逆に大学生活を謳歌しすぎて学生生活をおざなりになっている同級生をみると、いったい何が正解か分からなくなってしまい、かといって誰に相談したらいいかもわからず…ということのようです。

 

この手の悩みは、高校生まで真面目に生活してきた方に多いのかもしれません。

 

Aさんは、一通り我々に話をして気持ちを落ち着かせた後、アルバイト先に何と言ったらいいかを確認して、すぐにアルバイト先に電話をしていました。無事アルバイトを辞められることになったようで、その後すごくすっきりした顔をしていました。

 

ただ、一大人としては、アルバイトのシフトの直前に、急に辞めると言うのはお勧めできません。Aさんが落ち着いたところで、後日ちゃんとご挨拶に行くことを伝えたところ、そうすると言ってくれました。

 

ひとまず、一件落着です。