対企業のコンサルから見えた、「研究を仕事にする」ヒント
こんばんは。
今日の午後は、某企業さん(以下、N社)のコンサルでした(その後、C大学の授業でした)。
学校現場にいた経験から、N社さんが検討しているサービスが、どのくらいニーズがあるか、意見を聞かせて欲しいというご依頼でした。事前に具体的な相談内容を聞いていたわけではないので、事前に準備ができず、少々不安でした。
コンサルの時間は90分間。N社さんから、プランについて一通りご説明いただき、こちらがそれに対して、意見を述べるかたちで進めていきました。
商品のサンプルも作成されていて、そのサンプルを拝見(拝聴?)し、感想を述べたり、疑問点を率直にお伝えしたりしました。
今回は、学校現場が抱えている課題を解決するためのサービスについてのご相談でした(詳細は、守秘義務があるので控えさせていただきます)。
N社さんが考えられているサービス内容自体は、よく調べられた上で検討されているものだと思いました。つまり、ニーズがあるサービスと言えます。
ですが、よく話を聞いていると、なかなかそれを採択してもらう道筋や見込みが分からず、悩まれているようでした。
面会も終盤にさしかかったときに(終わる10分くらい前)、N社の方が、
どうすれば、〇〇という課題を解決できるのでしょうか?
と、本音を吐露して下さいました。
この「〇〇という課題を解決…」という言葉を聞き、
これって、研究と全く一緒だ!研究でやっている可能性大のテーマだ!
ということに気づいたのです。今回、学校現場での経験を買われてコンサルのお話をいただいたのですが、むしろ研究者の立場からご助言させていただくべきだと、モードチェンジすることに。
そこで、N社さんには、解決したい課題に関する研究(者)をリサーチすることや、その方法をお伝えしました。
N社さんからは、
「今まで全く思いつかなかったアプローチ方法でした。ありがとうございました」
という感謝のお言葉をいただきました。
企業は、解決すべき社会的課題を、サービスを提供することで解決を図ります。
それに対し、研究者は、解決すべき社会的課題や問題点を明らかにし、その解決の方策や道筋を示唆します。
両者が歩み寄る、あるいは協働することで、社会的課題を解決に導くサービスが展開・実現に向かうのだと思います。
ですが、いわゆる人文系・社会科学系の分野では、企業側も研究者側も、そのつながり方や、つながること自体が分からないでいるようです。同じ課題を解決しようと考えて取り組んでいるのに、あまりにももったいないと思いました。
企業が解決を考えている課題に、研究者の知見は必ず役に立つと確信しました。
ここに、「研究を仕事にする」ヒントがありそうです。